朱塗木魚を修理するお仕事を頂きました。
長年使われて消耗しており、特に撥で叩かれる箇所は表面の塗りが剥がれ、下地が露出しておりました。
【修理前】
概観
露出している下地
木地の動きによって生じたと思われる表面の塗りの割れ(内部には砥粉と柄入りの布の下地)
柄の入った布が用いられることは珍しいですが、物を大切にしていた時代に、何か他の用途で使われていた布を、
木魚製作の際の下地に用いたのかもしれません。
【修理過程】
表面の塗りと下地を取り除き、木地を露出させた状態で木地の調整を行ないます。
そのうえで下地から塗り・金箔押しまでおこなっていきます。
【修理後】
木地・下地から整えられた朱塗は鮮やかになり、金箔は輝きを取り戻しました。
木彫りの造形の良さも修理前よりも際立ち、美しい仕上がりになったと思います。
木魚の修理をご依頼頂き、ありがとうございました。
〔ご依頼主〕
曹洞宗 祝融山 神泉院 長學寺 様
群馬県富岡市
〔修理請負〕
山本仏具店